介護に関わる職業って?

職員について

職員

人材不足

最初のページでも解説したように、現在日本において介護職員の不足というのは大きな問題となっています。
そして、今後はさらに大きな問題になることが考えられます。
そこでここでは、介護職員にスポットライトを当て、より詳しく介護職員の現実について考えてみましょう。

まず参考となる情報として、厚生労働省によって行われたアンケートの結果を参照します。
今回紹介するのは介護職の人を対象にした「現在の職場を選んだ理由」のアンケートと、元介護職の人を対象にした「介護職をやめてしまった理由」のアンケートです。

まず前者のアンケートですが、全体の39.7%の人が「やりたい仕事内容であった」ということを挙げています。(複数回答可です)
過去の経験から介護の重要性を知ってやりたいと思った人、あるいは社会に貢献したいと思った人なども多いでしょう。
本人の意識・意欲による解答であると言えます。

2番目に多い解答であったのが「通勤に便利である」ということです。
介護施設は数が多いこともあり、通勤上の利便性が高い場所にあるケースも少なく有りません。
こちらは全体の38.1%の人が解答しています。
これは「便利さ」に起因する解答と言えるでしょう。

3番目に多い解答であるのが「能力や資格を活かすことができる」というものです。
全体の34.2%が解答する内容となっています。
介護職に就く人は多くが専門学校などで学んでいることもあり、能力や資格を持っていることが多いのもポイントでしょう。
これも本人の意識・意欲による解答です。

ただ、この先の解答はしばらく「本人の意識・意欲による解答」から離れることになります。
労働時間が希望似合っていること、正社員採用が可能であること、職場の雰囲気が良いこと、などが理由として挙げられています。

これらのアンケートを踏まえて、厚生労働省の出した結論は「入職時の時点においては、介護の仕事に対する思いが強く、事務所毎の特徴や方針等による選択が行われているケースは少ない」というものでした。
つまり「介護職であれば何でも良い」と考えて就職する人が多いということです。

では後者のアンケートの場合はどうなるでしょうか。
最も多かった辞めた理由であるのが「結婚・出産・育児」でした。
女性が多い職場ということもあり、これらのイベントがあると仕事を続けられなくなってしまったという例が多いでしょう。

次に「事務所に対する疑問があった」という内容がランキングしています。
思っていた介護の姿と違った介護が行われていた、というようなことがこの回答の内容となるでしょう。

そしてさらに「人間関係の問題」をあげている人も多くいました。
これもやはり女性が多い職場であることが関係していると言えます。
これに「収入が少ない」「心身の状態が悪化した」「労働時間が希望に合わない」というような労働条件による問題がランクインします。

最も多かったのがライフイベントによる問題であったとは言え、それ以外の問題が「労働環境」に起因しているのは現在の介護福祉の現場における大いなる問題でしょう。
実際、多くの人が介護の仕事について「厳しくて低給与」というイメージを抱く状態になってしまっています。
このイメージの回復が急務であるといえるでしょう。

この先で紹介すること

それでは、この先で紹介する職員についての内容に簡単に触れておきます。
まず最初に紹介するのは「介護士の仕事はどんなもの?」というものです。
前述のようなイメージがあるとはいえ、介護士は実際の所どのような仕事をしているのかについてしっかり把握していない人も多いのではないでしょうか。

次に紹介するのは「介護職の需要は?」という内容です。
ここまででも説明してきたとおり介護職は人員不足の状況にありますが、実際の需要状況というのはどのようになっているのでしょうか。

そして最後に「介護福祉士試験の難易度は?」という内容についても紹介します。
介護の現場においては国家資格が求められる仕事の1つであり、その資格の難易度について紹介します。