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介護について

高齢者の熱中症対策

高齢者によくある熱中症の症状

毎年のように最高気温が更新されていますが、その温度変化により大きな負担を受けているのが高齢者です。
熱中症として病院に運ばれてくる人のうち高齢者が占める割合はかなり高く、夏場は高齢者が多く亡くなる季節として、全国の高齢者施設ではかなり慎重な対応が迫られています。

まず熱中症になりやすい人として、高齢者の他に子供や長く屋外にいる人、キッチンで火を使う人、激しい運動をする人が挙げられます。
熱中症の症状には3段階があり、過度に進行してしまうと生命に関わる重篤なものになってしまうほどです。

1段階目(Ⅰ度)では、めまいや立ちくらみ、筋肉痛が起こり、足がつったり大量の発汗が起こったりします。
次の2段階目(Ⅱ度)に進行すると、頭痛や吐き気、嘔吐が起こるとともに、倦怠感や虚脱感を感じるようになり、通常の判断力がなくなってしまうでしょう。
この時点でもかなり危険なのですが、最終的な3段階目(Ⅲ度)に進行すると意識障害が起こり、体が痙攣するようになって体温が異常に熱くなります。

もし身近な人が上記のような症状になってしまったら、速やかに体を涼しい場所に移動させ、水分をとらせるようにしましょう。
意識障害が起こるほどになってしまったら、すぐに救急車を呼んで病院に運んでください。

救急車が到着するまでの間にもできるだけ涼しいところに移動させて、体を冷やしてあげるようにしましょう。
熱中症の症状は時間の経過であっという間に進行してしまいますので、短い間であっても涼しい環境を作ってあげるかどうかでその後の様態が大きく変化します。

なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか

高齢者が熱中症になりやすい理由は、体内に留めておくことができる水分量が少ないためです。

人の体の大部分は水分でできているのですが、子供の時期には70~80%近くあった水分量が、高齢者になると50%程度にまで落ちてしまいます。
体内の水分が少なくなると汗をかきにくくなり、体温調節ができなくなるので熱中症になりやすくなるのです。

高齢者への熱中症対策

熱中症が疑われる症状が出たときにまず最初にすることは、少しでも早く涼しいところに移動することです。

屋外にいる場合は直射日光を避けて木陰など風邪通しのよい場所に移動し、衣類を涼しくして、体を締め付けているような下着やベルトをゆるめます。
また、失った水分を補給するために水を少しずつでも飲むようにして、塩分も補給できるようならタブレットやアメを口にしましょう。

自力で水分補給できないほどになっていたらかなり重度に進行しているので、すぐに救急車を呼んでください。
予防対策としては普段から水を飲むことなのですが、心臓や腎臓に持病があると代謝をすることができずにむくみが出たり、持病が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。