1. >
  2. >
  3. オムツ交換のコツ
介護について

オムツ交換のコツ

高齢者のおむつ交換の基本手順

高齢化人口が増加するにつれ、要介護状態となっている高齢者も年々増加傾向にあります。

日本人の平均寿命は世界的にみてトップクラスと言われていますが、その半面で「健康寿命」と言われる自立した生活ができるまでの年齢は、それよりも約10年下回っているという統計があります。
つまり長生きをしている高齢者のほとんどは、亡くなるまでの最後の10年はほぼ寝たきりで介護を受けていかなければならない、ということになるでしょう。
寝たきりになった高齢者への介護でも特に負担が大きいのは排泄介護で、とりわけおむつを付けることになったときには重大です。

高齢者のおむつ交換でまず一番の問題になるのが、心理的な忌避感です。
誰しも排泄物に触れたり近づいたりするのは嫌なものですが、嫌悪感があまりにも強すぎると十分に清潔に交換をすることができなくなってしまうので、悪臭やかゆみ、かぶれといった皮膚炎の原因になってしまいます。

また、交換したあとのおむつの処置をしっかりしていかないと、介護をする部屋だけでなく家中に悪臭がまわることになってしまうので、同居する家族全体の雰囲気が悪いものになってしまうでしょう。
おむつ交換をするときにはできるだけ手早く、適切に処置をしていくということが重要なのです。

高齢者のおむつ交換の手順としては、まず本人に声掛けをするとともに姿勢を動かします。
この時にビニール手袋やエプロンを着用し、周囲に水や汚物がうつらないように尿とりパッドを敷いておくようにしましょう。

また、おむつ交換をする相手の衣類の露出もできるだけ少なくします。
おむつを外したら陰部をお湯などで清掃をしていきますが、同時に床ずれやかぶれが起こっていないかということもチェックしましょう。

洗ったあとはきちんと陰部を拭き取り、最後に新しいおむつを着用します。

体位変換のコツ、ポイント

おむつ交換で難しいのは、寝たきりになっている人の体勢の移動です。
女性など力がない人が行おうとするとどうしてもうまく力が入らず、無理をすると腰を痛めてしまうことにもなります。

コツとしては手足だけを動かそうとするのではなく、体の重心部分から動かすようにしていくということです。
体を横向きにする前に両腕や膝を体の中心部に曲げてもらい、胴体を転がすようにして力を入れます。
介護をするほうも腕や手先だけで体を動かそうとしても力が入らないので、できるだけ腰や足の筋肉で体を押し上げるようにしましょう。

交換をするときに体を拭きますが、このとき腰の下に交換したおむつや畳んだタオルなどを差し込んで軽く浮かせるようにすると、隅々まできちんと拭くことができます。

交換後に陰部を洗うときに便利なのが、ペットボトルに取り付けることができるチューブで、さっと水を掛けてそれをふきとるようにするとウォッシュレットのように使えます。