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介護について

介護の採用困難について

採用困難の理由

介護業界はここ数年の間ずっと人材不足が問題とされてきました。
総務省の就業構造基本調査(2012年)によると、介護をしている有業者は291万人(男性131万人、女性160万人)とされており、これは労働力人口全体の約4.4%にものぼります。

では職業として介護を仕事をしている人はというと、介護保険制度が成立した時点では約55万人であったところ、その後の介護需要に急増により2012年には約153万人と大幅に増加しています。
それに伴いより多くの人が介護職に従事することが求められているのですが、求人に応募する人数が少なく、また就職をしてもなかなか人材が定着することがないので、人手不足の問題は年々深刻化の一途をたどっています。

平成26年時点の有効求人倍率は0.99倍でしたが、この同じ時期の介護職の平均求人倍率は2.08倍と大幅に不足となっていました。
この傾向は現在も続いており、他の業界と比較して突出して求人倍率が高い位置で止まっていることがわかります。

そうした点を踏まえて考えると、介護業界の採用困難の原因となっているのは、人材そのものの需要が急増していることと、募集をする人が少ないことの二点が考えられるでしょう。
この状況を改善するために、国の政策として介護職員の待遇改善制度を実施しているのですが、未だ思うような効果が現れていません。

介護職のイメージ

介護職の需要増加については、高齢化という人口構造から考えると仕方のない現象と言えるかもしれません。
一方で、なぜ就業をする人が集まらないかということを考えてみると、そこには介護職に対してネガティブなイメージがついていることが挙げられます。

介護の仕事は、いわゆる「3K(きつい、汚い、給料が安い)」と言われる職場です。
それでいて人材不足の状況にもかかわらず待遇が改善していないということがあるので、若い人ほど介護という仕事に魅力を感じることができなくなっています。

求人倍率が極端に高いということも世間的にはマイナス材料となっており、仮に本人が希望して就いた仕事であっても、「介護職」ということに対して「それしか仕事に就けなかったんだろう」という目で見られてしまうのです。
そうしたこともあって介護の仕事をするということに自信を持つことができなくなっていることが、人材不足の大きな原因として考えられます。

就職活動のポイント

そこで現在全国の介護関連施設で力を入れているのが、福祉系の専門学校や大学との提携です。
専門学校などに入学する生徒に対して一定の就職枠を設けるようにしていることにより、卒業後の就職先が確実になり、学校にとっても生徒にとっても大きなメリットがあります。

また採用をする介護施設側も、できるだけ若い人や女性といったことにこだわって探さず、40~50代の男性を採用するなど発想の転換が必要となるでしょう。