サービスについて

終活とは

食事を提供される方

最近、「終活」の取り組みに関する相談を多くいただきます。相談内容としては、死後への準備をするにあたって「はじめるタイミングについて知りたい」や「何から手につけていいかわからない」などです。葬儀やお墓、遺言書を書くための相続についても考えるため、具体的な行動計画を立てたいという希望をいただきました。

相談者の中にはご家族の負担を少しでも減らすために「終活」を考えているにも関わらず、「死後の話をするなんて縁起が悪い」と言われてしまった方もいるようです。

終活は「人生の終わりを考え、今を大切に生きるきっかけ」になります。ご家族の方には、縁起が悪いというネガティブなイメージではなく、最後まで自分の気持ちを大切に生きるためのポジティブな取り組みだと考えていただけたら嬉しいです。

残された家族への物理的な不安や精神的な負担軽減、本人の老後計画による生活の安心にも繋がりますので、家族みんなで協力し合い終活に取り組んでいただければと思います。

終活をはじめるきっかけとは

終活を考えはじめたきっかは、年齢によるものや周囲の環境などさまざまな理由があるようです。
センニチ荘で相談に来た方の終活をはじめたきっかけをいくつか紹介します。

カラダの衰えを感じている

年齢を重ねると、慢性的に腰が痛くなったり膝が痛くなったりするため、カラダの衰えが心配になります。身軽に動けないため病気や怪我のリスクが高まっていると不安になり、人生の終わりが突然来てもおかしくないと考えるとのことでした。
突然の病気や怪我でなくなってしまった場合、家族に迷惑をかけると心配になり、終活を考えはじめたケースです。

友人や家族の葬儀に参列した

高齢になると、知人や友人の葬儀に参列する機会も増えてきます。「自分も葬儀をする日は遠くないだろう」と実感するのだそうです。配偶者の死をきっかけに、死後の準備を考える方も多くいます。自分自身で葬儀や身辺整理をやらなければいけないという責任感も生まれるのでしょう。最も身近な存在に先立たれてしまうという経験は、自身の死を強く意識するきっかけになります。

還暦や喜寿など年齢の節目を迎えた

人生の節目として還暦や喜寿を迎え、これまでの人生を振り返り今後を考えはじめたという声もありました。相談に来た方は元気だからこそ、体力と気力がある時に終活をしたいと前向きです。人生の後半戦に入り、身の回りの整理をして安心したいと言っていました。
このように、きっかけや終活に対してのモチベーションはさまざまです。もちろん、終活をする上での優先順位も違ってきますよ。

エンディングノートを書く

人生の過去と現在、未来を形にする「エンディングノート」。自分らしい最期を迎えるための準備をする手始めに、有効な手段です。身の回りのことを整理する計画を立てたり、家族や周囲の人に伝えておくべき事柄を書き留めたりできるエンディングノート。をぜひ、作成しましょう。

記載する項目があらかじめまとめられているエンディングノートは、無料で配布されているものから市販のものまでさまざま。決まった型があるわけではないので、自分なりにノートに書き留めておいても立派なエンディングノートだと言えます。

一般的なエンディングノートの項目や書いておいた方が良い項目を紹介します。

自分の基本情報

名前や生年月日、住所を記載します。自己紹介を書く気持ちで、血液型や趣味、好きな食べ物や嫌いな食べ物も書いておきましょう。その他、かかりつけの病院や常備薬など、日常生活に関わる自分の基本情報をまとめます。誕生日や趣味を「書く必要あるの?」と思われるかもしれませんが、エンディングノートのスタートの部分なのでテンションをあげるためにも書きやすい項目から書いていきます。エンディングノートを書きはじめた相談者の中には、家の家系図を書くのが面白かったと言っている人もいましたよ。

財産や債務について

財産について書く項目です。相続税の申告が必要なケースになるので、すべての財産を洗い出しましょう。ネット上の証券や銀行は手紙による通知がほとんどなので、エンディングノートに記載していなければ財産の存在に気がつけません。預貯金や有価証券の金融機関。支店名、不動産を記載します。借入金やローンについても記載しましょう。忘れてしまいがちなのはお金を貸している知人の連絡先や金額等々です。貸しているお金や借り入れている金額を整理するのは、気が引けてしまいますが、後に残された家族の負担を軽減するためにも必ず書くようにしましょう。

個人情報や契約関連

運転免許証や保険証などの個人情報や、携帯電話契約時のID・ログインパスワードなども、わかる範囲で記載しておきましょう。例えば、スマホの保管場所やメールアドレス、キャッシュレス決済の残高といった契約関連です。個人情報が載っている資料ですと、パスポートや年金手帳の保管場所なども書いておくといいでしょう。

親戚や知人の連絡先

親戚や友人、知人など何かあった時に連絡がとれるよう、連絡先名簿を作っておきましょう。葬儀に参列してほしい人や連絡のみの人など、希望も添えて書くと丁寧でしょう。名前と連絡先だけでなく、その人とはどのような間柄だったのかを書いておくと、連絡をする家族も安心です。連絡をして欲しくない人も書いておくと、残された家族と知人とのトラブルを防げますよ。

葬儀・埋葬の方法について

この項目は優先順位の高い項目です。認知症で介護が必要になった場合の方針や終末期医療の方針など、家族が難しい判断を迫られた時に自分の想いを伝えられます。

葬儀・埋葬の方法についても決めておくと、家族の負担を軽減できますよ。万が一突然の最期を迎えた場合、家族は気が動転しているため、葬儀や埋葬方法を業者に任せるケースも多くあります。その場合、故人や家族が望んでいなかった葬儀を開くことになりかねません。
埋葬方法や費用など、事前に相談できる葬儀社で情報を集めましょう。

ペットの情報

ペットを飼っている方は、ペットの情報も必要です。亡くなった後大切なペットを誰に面倒みてもらいたいのか相談、記載しておくと安心でしょう。ペットの名前や種類、年齢など基本情報も記載します。好きな食べ物やおもちゃ、お散歩コースも書いておくと残されたペットにも優しいでしょう。かかりつけの動物病院やお薬手帳がある場合は忘れずに記載してください。

大切な人への手紙

自由な項目になりますが、家族への想いを自由につづりましょう。家族との思い出や将来へのアドバイス、感謝の気持ちを書く人が多いです。文句はNGですよ。死後に文句を言われても誰もメリットはありませんからね。相手を思って書く、鼓舞ならいいかもしれませんね。最終的には自分の判断なのでお任せします。

終活では「書くべきこと」という決まりがあるわけではありません。順序良く書くルールもないので、自分が必要だと感じた項目に、自分の言葉で内容を伝えましょう。

終活はエンディングノートを家族に渡すまで終わりません。お墓や葬儀、相続など物理的・精神的にも準備することは多くありますが、私のような相談員が家族ともご相談しながら1つひとつ進めていけたらと思います。ぜひ、お気軽に相談くださいませ。